戦争から始まった天気予報 [雑談ネタ#26]

日本で天気図が作成されるようになったのは1883年だが、そもそも天気予報とはいつどこで始まったのだろうか?


1853年、パレスチナの聖地管理権をめぐるギリシア正教徒とカトリック教徒のあいだの紛争をきっかけに、ロシアとトルコのあいだに戦争が始まった。翌年は英仏が、さらにその翌年にはサルジニアが、いずれもトルコに味方して参戦。戦いはクリミア半島のセバストボリ要塞の攻防となった。
これがクリミア戦争。ナイチンゲールが活躍したことでも有名だ。

この戦争の最中、戦場を大暴風雨に襲った。補給に向かった英仏連合艦隊が遭難したため、陸上軍は寒波に加えて飢えや病気で、むごたらしい有り様になった。
この嵐を事前に予知できなかったどうか? この調査に乗り出したのが、海王星の存在を予言したことで知られる天文学者のルベリエ。

ルベリエはヨーロッパ各地の観測所から気象資料を集め、一枚の地図の上に記入していくうちに、時刻によって嵐の位置が変わることに気付いた。
「こんな地図を常に作るようにすれば、嵐が移動する様子を観察できるし、進路も予想できる」と考え、政府に活用を進言。これこそが天気図の元祖であり天気予報の始まりともなった。