お家断絶覚悟で食べたフグ [雑談ネタ#32]

大阪ではフグのことをテツとかテッポウというが、これは食べると鉄砲のようにあたり、あたれば死ぬからだ。フグの毒はテトロドキシンという。この毒は青酸カリの13倍という強さで、トラフグ一匹で30人の大人を殺せるのだとか…。


古代にはフグを生で身だけ食べていたから問題なかったが、内蔵と一緒に煮炊きをするようになってからは毒にあたって死ぬ者が跡を絶たなかったらしい。

このため豊臣時代以降は、フグを食べるのを禁ずる処置がとられるようになった。たとえば尾張藩では、フグを釣って売った漁師、漁師から買い上げて町で売った商人、商人から買って食べた者は五日間の押し込みの刑に処せられたという。さらに厳しかったのは長州藩。フグを食べて死人の出た家は永久に断絶とされた。

当時はフグの毒にあたったら、黒砂糖を食べる、樟脳を溶かした湯を飲む、スルメの足を燻して出た煙を鼻から吸う、ドブの土を煎じて飲む、地面に首だけ出して生き埋めにする・・・といった方法が効果があるとされていたが、治ると本気で信じていた者がいたのだろうか!?
古いことわざに「河豚は食いたし命は惜しし」とあるように、もし毒にあたったら死んでも仕方ないと覚悟を決めてかかったのかもしれない…。