近親結婚はサルも避ける [雑談ネタ#71]

親と子とか兄弟同士の結婚は、昔から近親結婚としてタブー視されてきた。
近親結婚では悪い遺伝子が発現しやすく、これが続くと種の維持力が弱くなるというのが、その理由のようだ。

このような知恵は人間にしかなくて動物は自然の状態では親子も兄弟も見境いなく交わるのではないかと思われていたが、実際は違っているらしい。

ニホンザルのオスは、ある年齢に達すると群れを離れ、独りザル、離れザルといって単独で生活するようになる。ただし弱いオスは群れを出ていかない。離れザルの行動範囲は直径50キロにも及び、別の群れに近づいて、そこのリーダー(ボス)と闘い、もし勝った場合はその群れを率いることになる。


こうしたオスの離脱は近親結婚の忌避と関係があるようで、このことは京都嵐山のニホンザルの生態観察で確認されている。
ここのサルのオス・メスすべての組み合わせを調べると、7親等内で232組。そのうち交尾があったのはわずか14組だけだった。
さらに、1親等・2親等内の54組だけを見ると、交尾はわずか1例だけ。
おそらく彼らは、人間には判別できない何かの目印をもとに、近親結婚を本能的に避けているのだろう…。