オードブルはロシアの習慣 [雑談ネタ#85]

オードブルとはフランス語で「作品の外」「建物の突き出た部分」という意味らしい。メニュー以外の食べ物ということだろう。

このオードブルは、ロシアの“ザクースカ”という習慣がフランスで広まったものという説がある。
なにしろロシアは広い。パーティーを開いても客ははるばる遠くから馬車で野を超えてやってくるため、到着の時間がバラバラになる。全員が揃わないと食事は始められないので、早く来て待っている客を別室に集めて酒やつまみを出す。この酒やつまみをザクースカといった。

フランスでは11世紀にはオードブルという言葉が使われていた。
しかし当時は定まった食事のコースなどまったくなく、すべての料理がテーブルに並べられていた。オードブルは、テーブルの空きスペースを埋めるための補助的な料理とされ、鳥の丸焼きなども出されたらしい。
だが、その後ザクースカの影響を受けたのか、まとまった一つの料理に変わり、一口で食べられる程度に小型化し、スープの前に前菜として出されるようになった。


ちなみにこのオードブル、料理人の腕の見せ所といわれている。最初に出されるものなので、腹にたまらず、次に出される料理はさぞかし…と期待を抱かせるようなものであることが求められるからだ。