犬の巻というのはある? [雑談ネタ#108]

教科書に即した解答や解説をつけた参考書のことを俗にアンチョコ、またの名を“虎の巻”という。なぜ“虎の巻”と呼ぶのだろうか。“虎の巻”があるくらいなら“犬の巻”はないのだろうか?

実は“虎の巻”ほうが有名なだけで、ちゃんと“犬の巻”も存在する。
事の起こりは中国の兵法書『六韜(りくとう)』で、<文韜><武韜><竜韜><虎韜><豹韜><犬韜>から成っている。中でも第4巻の<虎韜>が最も重要で秘伝が伝えられているとされるため、のちに参考書のことを指して“虎の巻”と呼ぶようになったのだ。


ちなみに、この中国兵法の古典 『六韜』を書いたのは周の時代の太公望侶尚(たいこうぼうりょしょう)といわれる。現在では釣り人のことをよく太公望というが、それはこの人物のことである。