そば屋の屋号をめぐる謎 [雑談ネタ#119]

東京都内には六千軒余りのそば屋があると言われるが、最も多い屋号は「長寿庵」。ほかにも「松月庵」「大村庵」など"庵"のつく屋号が目につく。
これは、江戸時代に浅草の弥往院の中にあった道光庵の"庵"にあやかったのが、どうやら始まりのようだ。

道光庵の庵主が信州松本の出身で、生まれつきのそば好き。また、そば打ちも上手で、檀家の人たちで特に希望する人にだけふるまっていたが、そのうち評判が上がり、信仰にことよせて我も我もとそば好きが押しかけてきたらしい。


これは18世紀初め頃の話だが、当時のそば屋さんは、道光庵ぐらいに繁盛したいものだと、"○○庵"という屋号を次々につけるようになったのだろう。