梅干しは見る薬だった!? [雑談ネタ#19]

今では簡単に食べられる梅干しだが、昔はたいへんな貴重品で庶民の口にはめったに入らなかったという。

平安時代、村上天皇の病気が梅干しとこんぶの入ったお茶で治った、という話もあるように、梅干しは古くから息切れ、船酔い、止血などに効果があると信じられ、戦国時代にも合戦での必携品とされてきた。


室町時代の書物には「酒や飯のとき、むせないようにするためには、梅干しを膳にのせ、これを時々見る」と書かれている。

また、江戸時代に書かれた『雑兵物語』にも「戦場で息切れがしたら携帯の梅干しを取り出して見よ。しかし決してなめたり食べたりしてはならぬ。命のある限り、ひとつの梅干しを大切にして、息切れの防止薬とせよ」とある。

梅干しは食べるものではなくて見るもの、と思われていた時代が随分と長かったことがうかがえる。