中華料理は材料を選ばず [雑談ネタ#75]

中国に「医食同源」という言葉がある。“食べ物は命であり。食事を間違えれば病気になり、病気になっても正しい食事をすれば治る” という意味だが、食べ物に向ける中国人の情熱には感心させられることが多い。


中国では、食べ物として考えられるものは全て食べ、あらゆる部分を捨てずに利用し尽くす。中華料理の材料を見ていると「こんなものが!」と驚くような代物も少なくない。

思いつくままに挙げると、まずツバメの巣のスープ。これはアナツバメが唾液で固めて作った巣を長時間かけて煮込んだものだ。アナツバメというのは南海の孤島や絶壁に住んでいるから巣を採取するのは命がけのことらしい。

それから、クマの手のひらと魚の唇を煮込んだ料理。クマというのは前足でアリを潰して食べるので、手のひらにアリの甘みがしみ込んでいるのだそうだ。ただし右の前足は不浄だといって使わないため、調理には何頭ものクマが必要になる。

広東へ行くとマムシ、コブラ、ハブの三大毒蛇を使った鍋料理もあるそうだ。他にムカデ、モグラ、ネズミも食べるし、鳥獣に関しては内蔵はもちろん舌、喉、鼻、ひずめ、睾丸・・・文字通り骨までしゃぶり尽くすから凄い。