食い気に負けたブラームス [雑談ネタ#25]

ドイツの作曲家ブラームス(1833〜1897)は一生を独身で通した。だが、恋愛をしなかったのは「自由を束縛されたくない」という独身主義者に共通した心理からだけではなさそうだ。


こんなエピソードが残っている。
ある時、ブラームスは自分を崇拝する娘と仲良くなった。ところが互いに気はあるのに、それ以上なかなか進展しない。それを知った友人は二人を取り結ぼうと、園遊会に招待した。頃合いを見計らって、友人は二人を庭園のひと気のない園庭に残して去った。

三十分がたち、さらに一時間がたった。もう良い頃だろうと友人が捜しにいったところ、娘が一人きりで泣き顔を見せ、たたずんでいる。
娘から聞いた話によると・・・二人は歩きながら音楽を語らい、ムードは高まっていた。と、その瞬間、どこからか肉を焼く香ばしい匂いが漂ってきた。その匂いをかぐとブラームスは話も上の空になって、「失礼」と言うなり、匂いのする方向へ歩いていってしまったらしい・・・彼が一生を独身を通すことになったのも無理はない。